筆者は現在、ペットロスカウンセラーやペット終活アドバイザーの仕事をしています。
そのため、自分自身もペット終活を行っていたのかと思われがちです。
しかし、じつは亡くなった愛犬のいた頃には「ペット終活の重要性」をまったく知らず、何も行わないまま愛犬は旅立つこととなりました。
今回は、ペット終活を行わなかった私が後悔したこと、そこから学んだことについてお話します。
ペット終活をしなかった理由
筆者は現在、ペットロスカウンセラーとして活動しています。
その活動を始めることになったのは、愛犬の死がきっかけでした。
「この子が死んでしまったら、ぺットロスになるかもしれない」とは常々思っていましたし、周囲の人からもよく言われていた言葉でした。
でも、どうしてかまだ「愛犬との別れ」というのは、どこか他人事のように感じていたのが正直なところです。
「ずっと一緒にいたい」という気持ちがそうさせていたのかもしれません。
この頃は、愛犬とのお別れのことを本気で考えようとしていなかったのです。
なので、「ペット終活をしなかった理由」というのも何か明確にあるわけではありません。
- その重要性を理解していなかった
- 自分や愛犬には無関係だと思っていた
強いて言うのであれば、これがペット終活を行わなかった理由です。
今となっては「お別れの時は誰にでも平等にやってくるのに……」と思ってしまいます。
ペット終活を行わなかった私の後悔
私の愛犬・夏子は13歳の時に老衰で亡くなりました。
亡くなる1ヶ月ほど前から体調を崩していたのですが、それでも私には「愛犬の死」を考えることができませんでした。
「絶対にまた元気になる」と信じていましたし、ペット終活は縁起の悪いことのようにも思ってしまっていたのです。
ですが、最期までペット終活を行わなかったこと……後から深く悔やみました。
そのことについて詳しくお話していきます。
「してあげたかったこと」が山積みに…
愛犬は、家族が寝静まった午前2時ごろに亡くなりました。
私は偶然目を覚まして愛犬を胸に抱きながら看取ることができました。
こんな夜中にそうできたことは、本当に奇跡に近かったのではないかと思っています。
それでも、ペット終活を行っていなかったので、後になって「これをしてあげればよかったな…」と悔やむことが多すぎたのです。
- 「最期においしいものを食べさせてあげたかった」
- 「お気に入りのあの公園に連れて行けばよかった」
- 「もっとたくさん話しかけてあげたかった」
- 「体調を崩す前に、きれいにトリミングしてあげたかった」
ここには書ききれないほどの「してあげたかったこと」で、私の頭と心はいっぱいになりました。
そして、それは後悔や強い罪悪感のようなものへと変わっていき、結果私はペットロスに陥ったのでした。
愛犬らしく生活させてあげられなかった
私のペット終活を行わなかったことによる最大の後悔はこれです。
愛犬の「愛犬らしい生活」を守れなかったこと
ペット終活の目的の一つは「ペットのQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を保つこと」と言われています。
犬でも猫でも他の動物でも、ペットにはみんな個性がありますよね。
そして、もちろん「その子らしい暮らし」だってあるのです。
しかし、私はペット終活を行わずにいたので、そんな大切なことも考えてあげられませんでした。
たくさんのことを我慢させて、終末期には大好きな散歩にすら連れて行かず……。
当時、足腰が弱ってきた愛犬のことを考えての結論でした。
でも、今考えると完全な私のエゴだったと激しく後悔しています。
抱っこしたりカートを使ったり、歩くのが難しくても散歩へ行く方法はいくらでもあるのです。
最期まで“あの子をあの子らしく”いさせてあげられなかった。
これは、愛犬が亡くなって数年経った今でも、悔やみきれずに心に残っています。
唯一の救いは運が良かったこと
ペット終活では「火葬業者のリサーチ」をする人も多くいます。
大切なペットを送り出すのですから、悔いの残らないように信頼できる業者さんを探すのは重要なことですよね。
ただ、ペット終活を行わないでいる場合、どうなるでしょう……?
その場合、飼い主はペットが亡くなって頭が混乱している中で、火葬業者を探すことになります。
私は運(縁)が良かったのだと思います。
これは、後悔だらけの私の中で「唯一の救い」と言えるでしょう。
愛犬を亡くして冷静な判断が下せないような状態でも、とても素晴らしい業者さんに火葬をお願いできました。
ですので、火葬での後悔は何一つありません。
しかし、飼い主さんみんながみんなそうとは限りません。
私がペットロスカウンセラーとして活動をしていると、「葬儀に心残りがある」という飼い主さんはとても多いのです。
そして、そうした方々のほとんどはやはり「ペット終活や業者のリサーチをしていなかった」と言います。
ペット終活をしなかった私が学んだこと
近年、人間と同じようにペットでも終活が注目されつつあります。
しかし、それでもまだその重要性はなかなか広まっていないようにも感じます。
これまでお話してきたように、私自身もペット終活を行わないまま愛犬を看取りました。
しかし、そこから多くのことを学んだので、他の飼い主さんには同じように悔いてほしくないと考えています。
後悔をなくすことはできないけれど減らすことはできる
愛犬や愛猫、他の動物でも「ペット」は大切な家族です。
その家族が旅立っていくのですから、遺された私たちはとても悲しいですし、さまざまな後悔も残ります。
おそらく、どんなに大切に育ててきてもこの後悔はゼロにはならないでしょう。
だけど、この後悔をペット終活を行うことによって「減らす」ことはできると感じています。
後悔があまりに多いと、遺された家族のペットロスが重症化してしまうこともあります。
ペットロスが重症化すると「うつ」などの精神疾患に発展するケースもあるので注意が必要です。
ペット終活は人間のエゴではない
「ペット終活は何のためにするの?」と思う人も多いでしょう。
私も当初はそう思っていましたし、「遺される人間のエゴ」なんて思っていたこともありました。
しかし、今ならはっきりと言えます。
ペット終活は人間のエゴなんかではなく、旅立つペットのためでもあるのだと。
先ほどもお話したように、遺された飼い主のペットロスの重症化を防ぐことも大切です。
でも、それだけではなくて、旅立っていくペットに「いい人生だった」と思ってもらえるようにするのもペット終活の重要な目的なのです。
そして、それは「飼い主の役目」と言っても過言ではありません。
私たち人間と一緒に暮らして多くのことを教えてくれるペットたち。
その彼らに私たちができる恩返しが「ペット終活」なのかもしれない……。
ペット終活を行わなかった私は、多くの後悔を経てこう気付かされました。
「ペット終活についての勉強」も視野に
私のペット終活をしなかったことによる後悔と学んだことについてお話しました。
これを読んでくださっている飼い主さまの「ペット終活を考えるきっかけ」になれば幸いです。
とは言え、ペット終活はまだ深く知られてはいませんし、私のようにペット終活アドバイザーとして活動している人も少ないのが現状です。
自分のペットの終活に向き合うことを決めても、具体的にどうしたらいいのか悩まれる人もいるかと思います。
そんな時には、ペット終活の講座を受けることも視野に入れてみてくださいね。
通信講座での資格取得は、仕事にすることは難しいこともあるかもしれません。
ですが、自分のペットの終活のためには十分な知識を得ることができます。
それに「ペット終活について勉強する」というのも、立派なペット終活につながるかと思います。
何から始めようか悩まれている方は、ぜひ無料の資料請求から始めてみてはどうでしょうか?
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