命あるもの、必ずいつかはお別れの時が来ます。
そうしたお別れを迎えた時、みなさんは最愛のペットを安心して送り出したり自分の生活の質を落とさずに暮らしたりする自信はありますか?
今回は、そんなお別れの時に着目したペットセーバーの「トライアングルケア講習会」に参加した感想などをまとめてみました!
トライアングルケアとは?
そもそも「トライアングルケア」って何?という方も多いですよね。
筆者もこの講座を知るまでは聞いたことがありませんでした。
まずは、トライアングルケアについて、お話していきます!
ペットセーバープログラムの1つ
トライアングルケアは、日本国際動物救命救急協会と日本防災教育訓練センターが行っているペットセーバープログラムの1つです。
トライアングルケアとは家族である動物の命が虹の橋を渡るまでのプロセスの過程で、飼い主が体験する「終末ケア・祝別ケア・命のケア」を遭遇前に具体的にイメージし、可能な限り、ペットの痛みや苦しみの軽減、飼い主の悲観による生活の質の低下を予防することを目的としています。
避けることができないプロセスを先読みしておくことで、段階的な心構えと準備することの大切さ、祝別後もペットが去ったことによる感情の変化等を自分のペースで取り戻し、日常を継続的に迎えることにつなぐことができるかもしれません。
(引用:ペットセーバープログラム公式サイト)
ペットに対する救命救急などで知られているペットセーバーですが、このような終末期に向けた講習も行っているのですね。
ペットセーバー救命救急の受講レポはこちら!
3つのケアが学べる
先ほどの引用部分にもあるように、この講習で学べるのは命の終わりに向けた3つのケアです。
- 終末ケア(ターミナルケア)
- 祝別ケア(グリーフケア)
- 命のケア(スピリチュアルケア)
命あるもの、いつかは必ず「死」がやってきます。
愛犬や愛猫が最期まで自分らしく生きられるように、ペットの苦しみや痛みを少しでも緩和すること。
そして、虹の橋を渡った後に遺された家族の生活の質を著しく低下させないようにすること。
これらを目的としたペットと飼い主双方への3つのケアを「トライアングルケア」と呼ぶのですね。
なので、仏教が多い日本では馴染みのない考え方も多く、筆者は常に目からウロコでした!
得られる資格と受講料
トライアングルケアは、先ほどもお話した3つのカリキュラムで1つのプログラムになります。
ペットセーバーの他のプログラム同様に、修了時には資格証も発行されますよ!
- ターミナルケアラー(終末ケア士)
- グリーフケアラー(祝別ケア士)
- スピリチュアルケアラー(命のケア士)
民間資格ではありますが、他のペットセーバー資格と同じように国際認定資格だというのが魅力の1つ!
約4時間の講座ですが、3つを別々に受講することはできないので注意しましょう!
また、トライアングルケアの受講にかかる料金は、他のペットセーバープログラムよりも少々高い税込18000円です。
とはいえ、この料金で3つの資格を取得できるのはお得ですよね!
仙台会場での講習に参加!
実際に講習を受けてみて、ぺットロスカウンセラーの立場で感じたことはもちろん、1人の飼い主として思ったことなどもたくさんありました。
ここからは、実際に講習会に参加した感想などをお話していきます!
講師はサニーカミヤ先生
今回の講師は、ペットセーバープログラムの代表であるサニーカミヤ先生でした。
救命救急の道では知らない人はいないというほど有名な方で、多彩な経歴をお持ちの先生です。
ペットセーバープログラムは、全国各地にさまざまなインストラクターの先生がいらっしゃいます。
しかし、その代表はサニーカミヤ先生なので、先生自らが講師をしてくださると安心感もありますね!
また、サニーカミヤ先生はハワイで牧師をしていたこともあるとのこと。
そのため、今回の講習でもさまざまな国での考え方などを教えてくださいました。
先生の書いたペットの救命救急の本もオススメ!
受講者の特徴
今回、筆者が受講した仙台会場はパッと見た感じでは女性が多いイメージでした。
一方でご夫婦やカップルで受講される方も多く、男性ももちろんいらっしゃいましたよ。
1人ずつ自己紹介をしたわけではないのですが、お話を聞いた限りでは次のような方々がいらっしゃいました。
- 犬や猫の飼い主さん
- ペットロス経験者
- 動物看護師(看護学科の学生さんもいました!)
- ペット葬儀スタッフ
- ペット霊園スタッフ
動物を見送る仕事をされている方はもちろん、「家にシニアのペットがいるから」と受講されている人も多くいましたよ。
筆者自身も「ペットロスカウンセラーの仕事に活かしたい」という気持ちはもちろんですが、シニアになった愛猫とのお別れに備えたい…という気持ちから今回受講を決めました!
講座の特徴は「グループディスカッション」
以前受講した救命救急の講習会では「体で覚える」のが特徴でした。
今回も、「ヒーリングタッチ」や「悲しんでいる人を落ち着かせるハグの仕方」など、実際に動きを自分で確かめるものはありましたが、ほとんどが座学です。
中でも一番の特徴は、3〜4人のグループで行うディスカッション…つまり話し合いの時間が多いという点!
メインはテキストに沿って学びますが、ところどころで受講者同士の話し合いの機会が設けられています。
- ペットの終末期など、離別体験でのリスク
- 飼い主やペットの内面的な健康リスク
- 虹の橋を渡ったペットへ伝えたいこと
これらを他の受講者と共有することで、自分自身の命の向き合い方について改めて考えたり、新たな気づきがあったり…さまざまな発見ができました。
勉強というよりもカウンセリング
ペットロスを癒す方法には、筆者も行っている「カウンセリング」や「座談会」など、さまざまあります。
今回の講習会は「勉強している」というよりも「カウンセリングを受けている」感覚に近かったです。
というのも、牧師経験のあるサニーカミヤ先生のお話は心に響くものがあり、飼い主さんの目には自然と涙が溢れる…なんて場面も多々。かくいう筆者も少し泣きました(笑)。
私自身も「泣きたい時には泣きましょう」とカウンセリングでお話していますが、サニーカミヤ先生も同じようにおっしゃっていましたよ。
自分の不安なことなどを話したり他の人の経験を聞いたりするディスカッションの時間も、まさに座談会に参加しているようでした!
ペットロスカウンセラーである筆者の率直な感想
筆者はペットロスカウンセラーの活動をしているので、今回は「普段のおさらい」という感覚で受講することにしました。
しかし、今回受講してみて初めて知ったことも多く、本当にたくさんのことを学ぶことができたのです。
最後に、トライアングルケアの講習会に参加した率直な感想をお話します。
ペットロスで悩む人にオススメ!
繰り返しになりますが、命あるもの、いつかは必ずお別れの時がやってきます。
これは例外なく、ペットを含めた誰にでも「絶対」ですよね。
そのため、私はこの講習会について「いま動物と関わっているすべての人に受けてほしい」と思っています。
飼い主さんはもちろん、仕事などで犬や猫などと関わっている人にもです。
それと同時に、すでに虹の橋へとペットを見送った飼い主さんやペットロスで悩んでいる人にも強くオススメしたいと感じました。
先ほどもお話したように、この講座では先生のお話を聞いたり他の飼い主さんの意見を聞いたり、本当に改めて気付かされる部分が多くあります。
他人と自分を比べるわけではありませんが「こういう考え方もあるんだ」と知ることで、ペットロスを受容する近道になるのでは…と感じましたよ。
また、筆者が同じグループになった飼い主さんにはこのような方も。
ペットロスに陥った飼い主さんのお話を聞いていると、ペットとお別れする経緯にはさまざまあります。
迷子・盗難・病気・老衰、そして事故…。もちろん、何が良くて何が悪いということはありません。
一方、お別れの仕方がさまざまあるように、飼い主さん・そしてペットの「幸せ」もいろいろな形があるのだろうな…と感じました。
人見知りな性格の方は勇気がいるかも?
ただ、先ほどもお話したように、この講習会の大きな特徴は「ディスカッションがあること」です。
そのため、人見知りな性格の人には勇気が必要かも…という気もしました。
とはいえ、この講習会に参加している人全員に共通しているのは「犬や猫など動物を愛している人」という点!
人見知りしてしまう人も、同じ気持ちを持つ人であれば幾分話しやすいかもしれません。
筆者自身もそこまで初めての方と仲良く話せる自信はないのですが、今回は難なくグループディスカッションに参加できましたよ。
人見知りの方でも得るものは多いかと思いますので、ぜひ受講を検討してみてくださいね。