大切な愛犬や愛猫を失ってペットロスに陥ってしまう人は珍しくありません。
ペットロスはとてもつらく、精神的にも身体的にも追い詰められてしまいますから早く克服したいと感じる人も多いでしょう。
今回は「なかなかペットロスを克服できない」と悩む飼い主さんに伝えたいことを3つに絞ってお話します。
ほんの少しでも、みなさんの心が軽くなれば幸いです。
ペットロスとは?
まず、「ペットロス」について正しく知っておきましょう!
ペットロスについてSNSやインターネットで調べてみると「ペットロス症候群」と表記されていることもあります。
そのため「病気」と思ってしまう人も多いのですが、ペットロスは病気ではありません。
ペットロスとは、死別だけではなく盗難や行方不明などによってペットを失ったことが原因で起こる精神的・身体的な不調のことを言います。
ペットロスに陥ることは決して珍しいことではありません。
「動物を飼っている一部の人が陥るもの」と思われがちですが、仕事で動物と関わっていた人などでもペットロスに陥ることがあります。
そして、「自分がペットロスだ」という自覚のない人は非常に多いです。
しかし、愛犬や愛猫などのペットを亡くして以下のようなことが起きたら、ペットロスだと思ってくださいね。
- 突然、涙が出て止まらなくなる
- 無気力・疲労感がひどい
- 拒食や吐き気
- 幻覚・幻聴
- 不眠
- 集中力の低下
- 自責感や罪悪感
このような症状が数日〜数ヶ月の期間続くので、飼い主の日常生活に支障をきたすこともあります。
病気ではないとはいえ、早く克服したいと思ってしまうのも無理はありません。
ペットロス克服の3つのポイント
筆者もペットロス経験者ですが、とにかく毎日生きていることすらつらいです。
遺された家族は「早く抜け出したい」と思ってしまいますよね。
ここからは、ペットロスカウンセラーである筆者が飼い主さまの心に留めておいてほしいことについてお話します。
どれもペットロスの克服のカギともなるので、必見です!
1:ペットロスは自然なこと
まず初めに飼い主のみなさんに覚えておいてほしいこと。
それは「ペットロスは自然なこと」だという事実です。
筆者がペットロスカウンセラーとして飼い主さまのお話をお聞きしていると、ペットロスを悪いことのように考えてしまっている人がとても多いです。
そのため「早く克服しないと」と考えてしまうのですが、愛犬や愛猫を失って悲しいのはとても自然なことですよね。
愛犬や愛猫は「単なる愛玩動物」ではなくて「大切な家族の一員」です。
そんな大切な家族がいなくなって、悲しくないほうが不思議ではありませんか?
ペットロスに陥るのは、心から愛犬や愛猫を愛せていた証拠です。
何もおかしなことではありませんよ。
それを忘れないでおいてくださいね。
2:泣くことも弱音を吐くことも大切
ペットロスに陥り「なかなか克服できない」と嘆く人には「周囲に心配や迷惑をかけてしまう」と、自分の気持ちをうまく吐き出せずにいる方が多いです。
先ほどもお話したように、ペットロスに陥るのはごく自然なことです。
泣きたいときにはたくさん泣いて、悲しい気持ちや弱音もしっかり吐き出すようにしましょう。
「周囲の人に理解されないので吐き出せない」とか「今以上に心配をかけたくない」という人もいるかもしれません。
そんなときには、周囲の人に直接話を聞いてもらうのではなくても、私のようなペットロスカウンセラーに話してみたりペットロス専用のSNSを利用したりするのもおすすめです。
また、周囲の人から「お空のペットが心配するから泣かないで」と声をかけられることもあるでしょう。
でも、お空のペットは大好きなあなたの「心から笑った顔」が好きだったはずです。
無理に泣くのを我慢してつらそうにしているあなたの顔を見てると、余計に心配してしまうのではないでしょうか。
「いつかまた、心からの笑顔をお空にいる愛犬や愛猫に見せる準備期間」だと思って、今はたくさん泣いてくださいね。
3:「克服しよう」と思わないこと
私はペットロスカウンセラーとして飼い主さんとお話しする中で「ペットロスは克服しなくてもいいんですよ」とお伝えしています。
多くの飼い主さまは克服するつもりでカウンセリングを受けられるわけですから「え?どういうこと?」と驚かれますけどね(笑)。
先ほどもお話しましたが、ペットロスに陥るのは愛犬や愛猫などのペットを心から愛していた証拠です。
さまざまな症状も伴うので、早く抜け出したいと思ってしまいますよね。
でも、まずはゆっくりとペットロスと向き合うことが重要です。
ペットロスは克服するものではなく、うまく付き合っていくもの。
そう考え方を変えてみると、悲しみでいっぱいの飼い主さまの心にも幾分余裕が生まれるのではないでしょうか。
時間をかけて向き合いましょう
多くの場合、1ヶ月〜数ヶ月でつらい症状も治まってきます。
症状が1年以上続く場合には精神科や心療内科の受診も必要となってきますが、まだ愛犬や愛猫を亡くして数ヶ月であれば焦らないで大丈夫。
ゆっくり、ありのままの自分の気持ちと向き合うつもりでいましょう。
繰り返しになりますが、ペットロスは克服しなくても大丈夫です。
時間をかけて向き合えば徐々に心境も変化していって、「悲しみでいっぱいのペットロス」から「愛犬や愛猫への愛が詰まった優しいペットロス」へと変化していきますよ。
焦らずにご自分のペースで、ペットロスと向き合っていきましょう。
筆者のペットロスとの向き合い方を本にしました
筆者のペットロスとの向き合い方について執筆した本を出版いたしました。
筆者自身も数年前、愛犬を亡くしたことによりペットロスに陥りました。
一時は本気で愛犬の後を追うことすら考えた筆者が、自分なりのペットロスとの向き合い方を見つけた話。
そして、その後ペットロスカウンセラーとして活動を始めるまでの話についても詳しく書いています。
ペットロスとの向き合い方は人それぞれです。
ですが、この本が読んでくださったみなさまの「ペットロスとの向き合い方のヒント」になれば幸いです。